千徳の上鼻の閉伊川向かいの松山、県立高等技術専門学校の門の前の道を出羽神社方向にほんの少し行った道の南側に、石碑群が佇んでいます。この道は上鼻から川の渡しを経て、南に向かい、”白根坂”を越えて八木沢と金浜の村境の八木沢側にでて、浜街道に合流する旧道です。
現代の地図上でみると、田鎖から折壁、大野を経て根井ノ沢、荷竹、駒峠を越えて豊間根村、荒川と往く宮古街道と浜街道を結ぶ旧街道の脇道の一つと考えられ、千徳、近内近在の人々が豊間根、山田方面に向かう場合頻繁に利用された脇街道と推測されます。松山地区で聞き込みを行った際、年配の方が子供の時におばあさんに連れられた、すげえ嫌だったども、白根坂を越えて、金浜に歩いて泳ぎに行った、と言ってました。
宮古町付近の人たちが南に向かう場合、藤原に渡って、磯鶏、八木沢、金浜と歩いたと思いますが、前述の地区の人たちは、この道を利用する方が近道であったと考えられます。白根坂の松山側の登り口に”西国順禮塔”が建っています。ここを通って多くの人々が参宮した証拠です。